エンドユーザーと生産性 | ☆★☆なにはともあれ自分のために書くブログ☆★☆

エンドユーザーと生産性

よく教授に言われる言葉「きみらの班の研究は、たいした結果が出ない」


うちの班の研究内容は、「社会情報シミュレーション」とでもいいましょうか.
やってることは,現実世界での課題を,計算機レベルに落としてシミュレーションを行う.そのアウトプットを現実世界に投げかける.そんな感じですかね.

研究の流れとしては,まず何か研究の種を見つけます.次に自分なりのアプローチを加えて,計算機上にモデリングします.シミュレーションのアウトプットを分析して終わり.

そんな感じです.


おれの研究の場合,題材がカーシェアリングで,アプローチとしてアイデアを加え,シミュレーション結果から提案手法の有用性を語る.カーシェアリングの社会啓蒙+新手法の提案が研究成果としてるとこです.



ただ
教授に言われるのは,「その手法を加えて結果がよくなるのはあたりまえだよね」ってとこ.

確かに,"性能向上"を目指して机上でねったアイデアだし,アイデアで成果がでる前提を置いてプログラムを書いてるから"あたりまえ"のこと.



上記理由で,通称「シミュレーション班」のおれらは,どうあがいても「あたりまえ」のことしか出来ない.というか作れない.もちろん先進的技術を定着させるのは,様々な角度からの「あたりまえ」検証が必要なわけで,まったく無に帰るようなものでないことは胸を張っていえるけど,「で?」って議論が必出の研究班・・・


通常,研究というものは生産性が付きまとわなくてはならないもの.コストだけかかる職などありえないわけだから.おれらの研究は,生産性を保証するための研究とでも言いましょうか.たとえばおれの研究でいうなら,カーシェアリングにおいて,提案手法の導入を検討中の企業が,シミュレーション結果を参考にして,導入を決めるとかね.とにかくおれの作ったものは「おれの主張」の整合性を確保するためのツール.エンドユーザーおれ.


なんでもそうだけど,流通の過程で金を取れるのは,最終消費者(エンドユーザ)が金をだすから.おれらの研究はエンドユーザを自分に設定してるから,お金をうむ(価値を認める)端末がないわけ.そういうこと.


エンドユーザを意識した研究をしようとすると,まぁぱっと思いつくのはシミュレーションシステム構築のためのプロトコル開発とか,単にアプリケーションにするとか.前者はとってもむずい(価値のあるものを作るのは)し,後者はおれのやりたいこととは違う(そういうのはプログラムに長けている人に圧倒的有利な分野).


さぁ
この卒論が終わったら,次の研究は何処に行くのでしょう.




追記:
もちろん,提案・啓蒙レベルの研究を進めている方の存在は必要です.発展を支える縁の下の力持ちには敬意を表します.

おれのやってることが無駄ってはなし