社会関係資本の大切さについて | ☆★☆なにはともあれ自分のために書くブログ☆★☆

社会関係資本の大切さについて

ピエール・ブルデューは,人間の持つ資本を,「文化資本」,「経済資本」,「社会関係 資本」の3つに分類した.個人が資本の向上を目指すとき,一般に,目に見えやすい,「文化資本」や「経済資本」に着目しがちである.個人の努力により手に 入るものであり,評価値がある程度定量化されているため,扱いやすいからである.このため,見落とされがちな「社会関係資本」であるが,実は様々な場面で 大きな意味を持つ.


 例えば,いい企業に就職して,「文化資本」を得る場合を考える.ある人は,就職活動を通じて出会った人に,アドバイスを受けるかもしれない.ま た,ある人は,親戚のコネを使って内定までこぎつけるかもしれない.「経済資本」を得る場合を同様に考える.ある営業マンは,親密になった営業先の重役か ら,大きな契約をもらうかもしれない.また,ある起業家は,飲み屋で出会った人から,ビジネスチャンスをもらうかもしれない.


 このように「人的資本」に影響をあたえるものの多くは,「社会関係資本」がもたらしてくれる.個人活動が相互作用して社会が創発される以上,社会 の上で評価されるには,個人のミクロな視点ではなく,他者とのインタラクションに着目する必要がある.あたりまえのようであるが,普段は意識されないこと であり,忘れてはいけないなって.